歌曲信息

歌曲专辑：あの声優が読むあの名作

演唱歌手：平野綾

たけくらべ歌词

[by:想养滚滚]
[00:08.30]たけくらべ
[00:10.71]樋口一葉
[00:13.21]美登利はかの日を始めにして生れかはりし樣の身の振舞、
[00:21.43]用ある折は廓の姉のもとにこそ通へ、かけても町に遊ぶ事をせず、
[00:30.07]友達さびしがりて誘ひにと行けば今に今にと空約束はてし無く、
[00:38.46]さしもに中よし成けれど正太とさへに親しまず、
[00:43.64]いつも恥かし氣に顏のみ赤めて筆やの店に手踊の活溌さは再び見るに難く成ける、
[00:53.68]人は怪しがりて病ひの故かと危ぶむも有れども母親一人ほほ笑みては、
[01:02.73]今にお侠の本性は現れまする、これは中休みと子細ありげに言はれて、
[01:11.29]知らぬ者には何の事とも思はれず、女らしう温順しう成つたと褒めるもあれば
[01:20.56]折角の面白い子を種なしにしたと誹るもあり、
[01:25.45]表町は俄に火の消えしやう淋しく成りて正太が美音も聞く事まれに、
[01:35.40]唯夜な夜なの弓張提燈、あれは日がけの集めとしるく土手を行く影そぞろ寒げに、
[01:45.31]折ふし供する三五郎の聲のみ何時に變らず滑稽ては聞えぬ。
[01:51.14]龍華寺の信如が我が宗の修業の庭に立出る風説をも美登利は絶えて聞かざりき、
[02:01.62]有し意地をば其ままに封じ込めて、此處しばらくの怪しの現象に我れを我れとも思はれず、
[02:11.69]唯何事も恥かしうのみ有けるに、或る霜の朝水仙の作り花を格子門の外よりさし入れ置きし者の有けり、
[02:24.66]誰れの仕業と知るよし無けれど、
[02:28.48]美登利は何ゆゑとなく懷かしき思ひにて違ひ棚の一輪ざしに入れて淋しく清き姿をめでけるが、
[02:38.63]聞くともなしに傳へ聞く其明けの日は信如が何がしの學林に袖の色かへぬべき當日なりしとぞ。
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• 平野綾